二十一世紀になってから読んだ本、或いは二十世紀の再読

以下、まったく順不同のままに列挙途中 (まだ0.1%未満、新型コロナが続く間に10%に近づくのが目標)。随時更新中。コロナはまだ先が見えない。2022/04/12.

ヴォルテール、吉村正一郎訳 

『カンディード』岩波文庫、1976年第22刷


訳者による解説冒頭で、ヴォルテールというペン・ネームについて次のようなことが書かれている。

ヴォルテール Voltaire (1964-1778)、本名はフランソワ・マリー・アルーエ François-Marie Arouetこの筆名は、彼の家の所有する小さな地所の名から採ったとか、「アルーエの子」 Arouet le Jeune という文字のアナグラム — Arouet L. J. は U と V、J と I を同字と見れば、Voltaire となる。 —だとかいわれているが、こういう説をどこまで信用していいかはわからない。
 たしかに、AroVet L I  →  aroVet l i  →  Voltaire だけどどうなんだろう。


ポートレイトは Wikipedia ヘのリンク。

ヴォルテール、斉藤悦則訳

『哲学書簡』光文社古典新訳文庫、電子書籍




LETTERS PHILOSOPHIQUES 1734 の翻訳

「第十七信 無限について、および年代学について」の書き出しが、

無限という迷路、深淵、これもまたニュートンが踏破した新しい領域である。

で始まっている。この先を読むと読者は、ヴォルテールが、ほんとうに深く数学の無限にかかわることを理解していることを知らされる。 

志賀浩二

『数学という学問    概念を探る』ちくま学芸文庫   

概念を探るということから、「無限概念の登場」の章から始め、「数学の転換期 —19世紀から20世紀へ、抽象へ向けて、数学が展開する場」、「数学の新しい流れ」、そして終章で次のようにしめくくっている。

また現在、社会全体は情報化へ向けて急速に変貌している。この激しい波の中で、数学という学問がこれからどのように変容していくかは、まだ誰も見定めきれないようである。

                             

 


遠山啓

『古典との再会』太郎次郎社、電子書籍


図は、トーマス・ライト 1750年版から。天体の運行とそれを観察する人間を結びつけた図、と「図版説明にある」。


中谷宇吉郎

「科学は役に立つか」青空文庫

2021ー7ー4 公開

ここに終戦直後、GHQの科学技術局でながく科学技術部門の主任をしていたケリー博士のエピソードが書かれている。冒頭の竹馬の話で惹かれたが、それはおいておくとして理化学研究所で若い研究員にケリー博士が話したこと、

植民地を失なった日本にとって、今後生きて行く道は、科学より他にない。」と話しはじめ、日本の資源によって、日本民族が生きてゆけるよう科学の力をつくしてもらいたい旨の話をした。
そのあと討論があり、次のような質問があったという。それは、民族の生きるためというような目的を離れた、

純粋科学の研究も、必要だと思う。そのパーセンテージを、どのくらいに考えたらよいか」
この若手研究者からと思われる質問にケリー博士は、どう答えたか?

ただ一言「ゼロ

その解釈はどうすべきなのか?

それについて著者はどう考えたか。

現在の日本のありようと比べて、読者として考えなければならない。

またさらに、12節にある「学問尊重」の気風 で中谷が日本国民の気質として、漫然と学問とか学者に尊敬の念を持っていることをつぎのように述べている。

国民一般に浸透している「学問尊重」の気風が、ひょっとすると、日本の科学者を、役に立つ科学から遠ざけることに、一役買っているのではないかと思われるからである。
この言葉を聞いて、終戦後75年以上経った現在、読者はどう感じるだろう?


青空文庫の新規公開作品には、もう一度世の中の流れを、さらに考えさせられるものがある例だった。

中里介山

日本武術神妙記、角川ソフィア文庫

中里介山は、あまりにも『大菩薩峠』で有名だ。他の著書については正直知らなかったが、この日本武術神妙記を手にしてこれは面白いだけでなく、事典のように使えることがわかった。彼は「日本武術を知らなければ日本国民性を理解することはできない、……」とこの武術神妙記の序文で述べている。さらに、

「日本の剣法というものは生死の瀬戸際に立たなければ、その神妙がわからないものである」

 ということで、この神妙記は天地人のそれぞれの巻で、大家・名人・上手を日本剣道の祖のはじめから説いている。

それぞれについて、きちんと典拠がわかるようにし、怪しい話は、ちゃんと「怪しいけれども記して置く」と正直に書かれているのに感心する。

例をあげると、宮本武蔵が名古屋で門弟を連れ外出していると、一人の武士が前から歩いてくる。武蔵は門弟らに、

「この人の歩き方は遅からず早からず、真に活きた人の態度である。わしは江戸を出てから久し振りに活きた人に出逢った。これは必ず柳生兵庫であろう。」

と云いつつバッタリ行き会ったところ、先方から「宮本先生ではござらぬか」武蔵は「そういうあなた様は柳生先生ではござりませぬか」。とまったく未知の間柄でありながら双方、覚ったという話であった。これは怪しい話と記してある。


レフ・トルストイ、菊池寛訳

イワンの馬鹿

登場人物は

田舎のお金持ちの百姓と3人の息子と一人の娘。それぞれの名は、

兵隊のシモン、ふとっちょのタラス、それに馬鹿のイワン、それに

つんぼでおしのマルタという娘。

そこに年寄の悪魔と3人の小悪魔がこの百姓の兄弟らが財産の分け方でけんかをするよう仕向けることでストーリーははじまる。

結論は、たぶんほとんどの読者はあいまいなままで覚えていないだろう。

3人の悪魔のたくらみは全部失敗し、ラスボスの年寄の悪魔もさんざんな目にあう。

悪魔はすべて地べたへ落ちて消えあとに穴がのこったことを覚えているかもしれない。

— ただ、この穴は読者になぞのままでおわってしまう。

最後に教訓のようにもおもえるイワンの国の次のような特別なならわしでイワンの馬鹿は終る。

手のゴツゴツした人は食事のテーブルにつける。

そうでない人は他人の食べ残しを食べなければならない。





高橋ツトム

SIDOOH 士道  全25巻

物語が動きはじめるきっかけは
第3巻第24道「時風」あたり。そこで歴史的事実である桜田門外の変があり、そこから架空の組織「白連隊」をなす下記の人物が集まりその活躍がはじまることになる。

朝倉清蔵
伊能謙之輔
鮫島太助
雪村翔太郎
雪村源太郎
百舌


第4巻、横浜関内で、黒船の様子を夜偵察にでかけた源太郎が、異人3人、幕府が6人、商人が2人なのを近寄って見る。源太郎はつぶやく「やっぱ、鬼だ」。
第6巻までに、黒船「ワシングトン」を沈める。しかし、清蔵と伊能は捕えられ伊能は黒船内での戦闘による鉄砲傷がもとで牢内で獄死。清蔵は斬首の刑でなんと白連隊をつくった巨大な謎の組織の首謀により首を落される。残りのメンバーは、翔太郎をリーダーとして江戸へ剣の腕前をみがき学をおさめるため、江戸へ向う。

第7巻は、1861年(万延2年)の卯月、江戸浅草からはじまる。

ところで、SIDOOH第7巻第1刷が発行された日付 2006年を見て、その頃は新しい組織を既存の体制のなかに創設するためにいろいろと苦労を重ねていたことを思い出したしだい。


鉄腕ガール 全9巻
Blue Heaven 全3巻
ギターショップ・ロージー 1巻

以上、電子書籍で読みはじめたけど、巻数が多いのは古書でまとめて買った。

まだ気になる作品もあるので、東京が、というか日本全体がこんな調子なのでしばらく漫画をまとめ買いしようかと思う。


高橋留美子

マオ 1巻〜8巻


諸星大二郎

マッドメン



RiCHARD OSMAN

The Thursday MURDER Club




David Quammen

SPILLOVER
Animal Infections and the
   Next Human Pandemic



これは出版されたのは、しばらく前だが現在(2021年5月)ベストセラーになっているので電子書籍で購入した。

あまり日本では一般人に知られていない Hendra ウイルスの話題からはじまっている。このウイルスはコウモリ由来のもので馬や人間に感染し致命的な症状をひきおこす。Wikipedia より感染地図を引用。


Hendra ウイルスが最初に発見されたのは1994年の9月のことで、13頭の馬がこのウイルスにより死亡した。(wikipedia)





岡潔×司馬遼太郎対談

対談「萌え騰るもの」

司馬が終戦の直前に、内地防衛のための戦車隊が足りないというので帰って参りましたと、岡に話すと、

岡「……日本の神々が司馬さんを誘おうとのお考えだったのです。この歴史を長い目で見てみますと、日本人が生死を無視して行動するのがよくわかってきます。」

岡は歴史の曲り角は、現世の生きている人だけを見てもわからない。エッセンシャルなものは現世だけではない。曲がり角に神々があると言う。

岡「エッセンシャルなものを求めるには、現世を無視しなきゃならんでしょう。」




司馬×岡対談の「仏教放談」で、

司馬「私の祖父は数学のスの段階ですが、和算をやりました。」

と語りはじめた。この放談も興味深い。


司馬遼太郎著

『燃えよ剣』(文春 e-book)

小説、文芸作品は紙の本で読むことが多いが、ポイントにつられて電子本を買った。

Location 1678 に当時の日本に外国から持ち込まれたウイルスの話がある。

少し引用する。

「異国渡来」の麻疹は、またたくまに小石川一円の老若男女を倒し、江戸中に蔓延しはじめた。これにコレラの流行が加わった。

—  これも、幕府が、京の勅許を待たずにみだりに洋夷に港を開いたからだ。

と攘夷論者たちはこの病原体におびえ、そういう説をなした。

「武江年表」の文久二年夏には、

◯  日本橋上に、一日のうち棺桶が渡るのが二百個以上の日もあった。

などのことが記されていると司馬遼太郎は書いた。




志賀浩司著

● 数学が育っていく物語  第5週  方程式  解ける鎖、解けない鎖

クロネッカーが1850年代に古典的手法で証明した定理「5次方程式には代数的解法がないものが存在する」を解説している。第5週の木曜日の授業。

これは1994年8月8日が第1版、いまはオンデマンド版になっている。
この日付は、Shiki team が Web を公開した1994年7月7日のひと月後なので私的記憶に残る日。この頃、Webサーバーを自分でたてたサイトは少なく貴重な経験だった。


チャペック作、千野栄一訳

● ロボット (R.U.R)



チャペックによる「ロボットという言葉はどのようにして生まれたか」につぎのような話がある。

ロボットは電車に乗ったから出来たものである。
(中略)
近代的な条件というものは、本来人間が慣れ親しんでいる気持のいい生活状況を意識させなくするということに気がついて、私はびっくりさせられた。

 この電車に乗った体験 ー 羊が並ぶようでもなく、機械が並ぶようにぎっしりつめこまれたー この電車が何のためにどのように人間を扱うかの経験から、チャペックは家に帰ってから働く能力はあるが、考えることはできないものをどんなに表現するか考え、それをチェコの言葉「ロボット」で表現したという。



デーデキント著、河野伊三郎訳

● 数について —連続性と数の本質—

第一篇  連続性と無理数
第二篇  数とは何か、何であるべきか
解説

これは23冊買った(本棚を調べるとそれ以上だった。別邦訳、英訳をいれるともっと。苦笑)、が完全に読み通していない。あと何冊買うことになるだろうか(もうこれまでに買ったのを読むだけで十分以上かもしれない)。

「序文」には、この数(すう)に対する考察は1853年の秋に導き出されたものである、と書かれている。

Alan Baker  F.R.S

● TRANSCENDENTAL NUMBER THEORY

In 1874,  Cantor introduced the concepts of countability and this leads to at once to the observation that `almost all' numbers are transcendental.  (p.3)

1   The origins
2   Linear forms in logarithms
3   Lower bounds for linear forms
4   Diophantine equations
5   Class numbers of imaginary quadratic fields
6   Elliptic functions
7   Rational approximations to algebraic numbers
8   Mahler's classification
9   Metric theory
10  The exponential function
11  The Siegel-Shidlovsky theorems
12  Algebraic independence

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この本を持って近くの公園にある東屋で腰掛けていると、2才の孫が「英語、英語」とページをめくろうとする。なにか興味をひかれたのかもしれない。孫はイチ、ニイ、サン、……と数えるていくといきなり「ジュウ!」といいだす。また「ハンブン」もすぐ口にする。有理数は、この世界にある身近なものに触れることから、さらに奥の深い数の世界へとはいるための媒介をしているのだろうか。


一松信

√2 の数学  無理数を見直す

「はしがき」によると、1986年8月にこの本を書き始めたが、途中少し考えを変えなければいけないと反省し、(中略) 一度立ち往生すると、容易に再起動ができなくなり……
ということで、その影響は第4章の途中に少し書かれていた。(1990年2月2日の第一版より。)


はしがき
序章  √2 とは?
第1章  古代ギリシャの難題
第2章  不定方程式
第3章  代数方程式の立場から
第4章  √2 の数値
終章    結びにかえて
付録    √3  について
索引



曲亭馬琴、村井新吉訳、べんちん絵

● 南総里見八犬伝

里見の八犬士とは、

犬山道節  いぬやまどうせつ

犬塚信乃  いぬずかしの

犬坂上毛  いぬさかこうずけ

犬飼見八  いぬかいけんはち

犬川荘佐  いぬかわそうすけ

犬江親兵衛 いぬえしんべえ

犬村大角  いぬむらだいかく

犬田吾  いぬたぶんご  、汶 は 6C76

である。


Herodotus, translated by G. C. Macaulay

The History of Herodotus,  Kindle version

日本語訳だけで理解できない箇所と地名・人名の確認のため。日本語訳の補助。




ヘロドトス、 青木巌 

・『歴史』(上)(下) Kindle版

これまで別の文庫版のページをめくっていたが、Kindle版で別の訳も読みはじめると、これはなかなか読みやすく楽しめることがわかった。

武論尊/原哲夫

・『北斗の拳』全27巻(電子書籍)


電子本でないとマンガはどこにいったのかわからなくなってしまう。

逆に小説はなかなか電子本だと、読み切るのに時間がかかるように思う。

松田毅一、川崎桃太

・『完訳フロイス日本史』全12巻、中公文庫

織田信長篇、豊臣秀吉篇、大友宗麟篇、大村純忠・有馬晴信篇



武田一義

・『ペリリュー ‐ 楽園のゲルニカ ‐』ヤングアニマル コミック(電子書籍)

PELELIU
GUERNICA OF PARADISE

原案協力 平塚柾緒(太平洋戦争研究会)


いまのところ10巻まで読んだ。
11巻は未刊(2021年3月15日現在)

ただ続きがどうなるか気になって、連載中のヤングアニマル No.6 を買った。
第86話を読んだが、次回が最終話のようだ。

追記 4月27日火曜日、2021年。

「ペリリュー」最終回が掲載されている週刊誌を購入した。グーグルポイントを消費して。


身近なところで太平洋戦争に狩り出された男性から直接お話を聞くことができた、この著者らが西太平洋戦没者の碑が建立されたペリリュー島で遺骨・もしかすると魂からなにやら形にはならないものを感じ、著者らの気持が動き「腹が決まったってことですよ」になるいきさつが描かれていた。

なかなか貴重な作品だ。

アニメ化され『ペリリュー — 楽園のゲルニカ』の外伝も発表される予定だということだった。




大橋眞

・『PCRは、RNAウイルスの検査に使ってはならない』

注釈
注1

この点に関して、John Lauritsen (1996) は、次のキャリー・マリスの発言を引用している。

この注釈で引用している箇所は、リンク先
https://www.virusmyth.org/aids/hiv/jlprotease.htm

中にある文章の

Kary Mullis, who won the Nobel Prize in Science for inventing the PCR, is thoroughly convinced that HIV is not the cause of "AIDS". With regard to the viral load tests, which attempt to use PCR for counting viruses, Mullis has stated: "Quantitative PCR is an oxymoron." PCR is intended to identify substances qualitatively, but by its very nature is unsuited for estimating numbers. Although there is a common misimpression that the viral load tests actually count the number of viruses in the blood, these tests cannot detect free, infectious viruses at all; they can only detect proteins that are believed, in some cases wrongly, to be unique to HIV. The tests can detect genetic sequences of viruses, but not viruses themselves.

What PCR does is to select a genetic sequence and then amplify it enormously. It can accomplish the equivalent of finding a needle in a haystack; it can amplify that needle into a haystack. Like an electronically amplified antenna, PCR greatly amplifies the signal, but it also greatly amplifies the noise. Since the amplification is exponential, the slightest error in measurement, the slightest contamination, can result in errors of many orders of magnitude.


上の段落のみだが、次の段落にある「PCR がやっていることは、ある遺伝子配列を選択し、それを膨大な数になるまで増殖させることである。……」

ここの所を読む方がわかりやすいし、結論になっている。





森三樹三郎(1909-1986)

● 『墨子』ちくま学芸文庫、訳者解説より

「諸子百家」と呼ばれる人々は、このような文化的浪人であり、コンサルタントであったわけである。

このような諸子百家、コンサルタント群の最初に表われたものが、ほかならぬ孔子である。孔子は前479年に歿したが、あたかもその頃、しかも同じ魯の国に、墨子が生まれたもののようである。



金谷治

● 『新訂 孫子』岩波文庫、附録より

孫子伝(『史記』巻六十五)

孫子が、兵法によって呉の国(長江下流地方)の王である闔廬にお目見えしたときのことであった。
王である闔廬(こうろ)が、そちの書いた十三篇は、わしもすっかり読んだが、実戦ではどうか、ちょっとためにしに軍隊を指揮して見せてくれるかな?

孫子は「よろしゅうございます。」
闔廬「女どもでためせるかな。」
孫子「よろしゅうございます。」

そこで、宮中の美女百八十人が集まった。孫子はそれを左右の二隊に分け、王の愛姫二人をそれぞれの隊長とならせ、……

ここから先がなかなか、どうなるでしょう。本を手にしてみては。





船戸与一(1944-2015)

● 『満州国演義』(全9巻)、『緋色の時代』(上下)

やはり知人にこのシリーズのファンがいた。彼もまたその知人に長いですけどと勧めていた。小料理屋のカウンターでのことなのでどうなったかはしらない。ちなみに船戸作品はほぼ読破した、残りを近いうちに全部読んでしまいたい。

ルネ・デカルト(1596-1650)

● 『幾何学』

『方法序説』は、何度も挑戦して脱落したが、これは読める。図形のおかげか。具体的計算ができるせいか。

金谷治(1920-2006)

● 『淮南子の思想—老荘的世界』、1991年12月講談社学術文庫版まえがき日付




中野美代子

● 『西遊記』(全10冊)

ディリクレ(1805-1859)、デデキント(1831-1916)

『整数論講義』、現代数学の系譜5、酒井孝一 訳・解説



Andrew Parker

 In the blink of an eye - how vision kick-started the big bang of evolution


  1. Evolution's Big Bang
  2. The Virtual Life of Fossils
  3. The Infusion of Light
  4. When Darkness Descends
  5. Light, Time and Evolution
  6. Colour in the Cambrian?
  7. The Making of a Sense
  8. The Killer Instinct
  9. The Solution
  10. End of Story?

マンジット・クマール、青木薫訳

●   『量子革命 — アインシュタインとボーア、偉大なる頭腦の激突』
  1. 量子
  2. 若者たちの物理学
  3. 実存をめぐる巨人たちの激突
  4. 神はサイコロを振るか?
  • 用語集
  • 謝辞
  • 訳者あとがき
  • 良質の歴史小説のような物理学史
  • 年表
  • 人名索引
科学史というよりも、やはり小説を読むつもりで手にした。

諸星大二郎

『西遊妖猿伝』大唐篇、西域篇  (電子書籍)


コミックというよりも独特な絵柄のなかで描かれる唐が大帝国として拡大する初期の頃の物語を楽しむ。

場所をとらないからと電子書籍にしたが、これも考えものだった。書棚に余裕があれば本が良いとおもいます。

西岡久美子

『超越数とはなにか』(電子書籍)


  1. 超越数とはなにか
  2. 代数的数の性質と超越数
  3. e と π の超越性の証明
  4. べき級数とマーラーの方法
  5. 超越数の代数的独立性
  6. (付録) マーラーの方法の発展
  7. 補遺 A カントールの対角線論法
  8. 補遺 B 代数学の基本定理
  9. 補遺 C 対称式の性質
  10. 補遺 D 超越的べき級数
  11. 補遺 E 同次連立一次方程式
  12. 参考文献
  13. さくいん

J・ウィリアム・ショップ、阿部勝巳訳

『失われた化石記録 — 光合成の謎を解く (シリーズ「生命の歴史」2)』


古生物の年代で、10億年前などと簡単に言うが、10年と10億年の違いは尺度を捉えにくい。
たとえば、時間を距離として捉えると少しわかったようになる。

1年を1センチメートルとすれば、100万年は10キロメートルだ。
地図を開いてみると、自宅から伊予三島駅は直線距離で73kmなので730万年になる。
横浜までは654キロなので6千540万年。
1億年にはなかなか届くことはない。
イスタンブールまでで8,638kmなので8億6千万年を超えロンドンまでで、9億5千万年弱。
なかなか10億年を超えない。

太平洋を飛び越えてワシントンまで行くときの直線距離は11,367kmでやっと10億年を超え、11億年。ただ、地球は球体なので地表を直線でむすぶと太平洋というよりはベーリング海を飛び越えることになり感覚はもう平面地図とはかけはなれてしまいよくわからなくなる。
それほど10億という感覚はとらえにくい。

実際に地表感覚として道路を車で移動したことがあるのは、せいぜい東京くらいまでだから1日1センチとして1億年はかからない。

逆に近くのスーパーだと300メートルとして、3万年となるからこれは相当離れているともいえる。

結論として、これを書いてる机の向こう側まで50センチくらいだから、50年ということは、人生は机ひとつちょっとしかないことにも思いあたってしまった。

渡辺敬一、草場公邦

『代数の世界 改訂版』


  1. 代数へのプロムナード
  2. 群の構造
  3. 方程式とガロア群
  • 問題略解
  • 文献案内
  • 索引

ジョセフ・H・スルヴァーマン、鈴木治郎訳

『はじめての数論 原著第3版 — 発見と証明の大航海、ピタゴラスの定理から楕円曲線まで』


原著 第4版については、著者のページがある。
http://www.math.brown.edu/johsilve/frint.html


もともとブラウン大学の Math42 クラス用テキスト。コースの目的は「モーツァルトの音楽」「エリザベス朝の演劇」とおなじようにテーマ全体と特定の切り口を通した詳細な研究からの方法論の訓練だったというこの本の「はじめに」が内容を暗示している。具体的な一例としては、

定理35.1の「2の平方根は無理数である」の証明のあとにある「哲学的幕間」から定理「リュウビルの不等式」への流れなどに、それがある。

佐藤修一

『自然にひそむ数学—自然と数学の不思議な関係』(電子書籍)

これは素晴しい本だ。著者の深い知恵のたまものだ。
146ページからはじまる「ピタゴラス数からフェルマーの大定理へ」は読者を自然と数学の不思議な世界の奥へと惹き込む。ピタゴラス、プラトン、ディオファントスからフェルマー、オイラー、ルジャンドル、クンマー、岩澤、……
読者は、それらの後をたどることで自然と数学の関係ができあがる小道を開いた人々の足跡を発見できる。


うめざわしゅん

『ダーウィン事変』第一話  ©うめざわしゅん


津田雅美

『ヒノコー h i n o k o ー 文字を巡る古代ファンタジー』

「マンガPark」で読んでるけど、無料期間中に読み切ることができるかどうかわからない。私の名前(旧字体)がとりあげられたいへん良い意味で解説されていることも読み続けている理由かもしれない。

すぎむらしんいち

『ディアスポリスー異邦警察』

電子書籍で15巻揃える気になったのは、絵とストーリーがとてもうまくミックスしているのを綺麗にディスプレイできる異国の端末を異国から輸入できたせい。この端末がなければ買ってないかもしれなかった。しかし異邦人という言葉の印象には、イスタンブールでしつこい売り子が英語で「イタリア人か?」とまとわりついてくるのを近くにいたトルコ人が私の顔を見てにがわらいしていたことや、骨董品屋にはいるとこれまた店主が「中国人か?」としつこかったことや、変な怪しい小道に入っていった男にしばらくして偶然出会ったら、顔色が真っ青になっていたことなどがリンクされているせいで常識が飛んでしまう。


宮本常一

『日本人のくらしと文化』

「生活の伝統」について著者は、自分の生活をどのように守り、それを発展させるか、生活を新しくしていくためにどのように努力してきたかを、人間的なエネルギーとして語る。

「このようにして地域社会に住んでいる人、ハイクラスではなくて、それよりもう一段低いところにいる人たちが、自分らの生活を高める努力をずうっと続けてきておったのです。それをわれわれは伝統と言いたいのです。閉鎖的なものではないのです。」



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