2021年2月3日水曜日

『西遊記』第十五回の哈密

 ここで悟空と三蔵は、「里社祠」と書かれた門をくぐってなかへと入る。

首に数珠をかけた老人が合掌し迎える。

三蔵は、この廟が里社と呼ばれるわけをたずねる。

すると老人が、ここは哈密(ハミ)の国で、

里社とは土地神のことだといい、

年の節目に、三牲(うし、ひつじ、ぶたを用意し)、四時(しじの安全)、五穀(の豊穣)、六畜(三牲とうま、とり、いぬの繁殖)を祈願すると説明した。

三蔵は、《家を離れ三里も行けばそこは別の風》という。

実際、この時代にはこのあたりはどんなふうだったのだろうかと想像する。現代では、

新疆维吾尔自治区



である。


さて、この15回という回数にも意味があるそうだが、私的には

四時安全、五穀豊穣、六畜繁殖をあわせて、十五ではどうでしょう。
三牲は六畜に含まれている理由から。

ともかく、いよいよ西域に入り困難を乗り超えてゆかねばならないときであり、観音さまから龍を変化させた白馬をいただき、さらにはこの老人から素晴しい鞍と手綱、さらには鞭をもらって困難な旅へと向うのである。

現代であれば、内装のシートの座り心地も良く、ハンドルは快適で、ペダルの操作性はバツグン、車体は頑丈で高性能な四輪駆動車ということだろうか。

この老人は、実は観音さまのおつかいの山神、土地神であったことまでわかり、次の16回へとつ続く。

さてさて、今年は何かいつもよりも数にこだわった年になっている。

令和三年の節分は、珍しく2月2日であった。

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