2026年5月30日土曜日

桐野夏生『冒険の国』文庫版あとがき ――「取り残された人々」

 このあとがきによれば、桐野夏生が1988年「すばる文学賞」に応募した作品『冒険の国』を改稿したもので、あとがきの日付は平成17年8月になっている。17+1988=2005だから2005年8月にあとがきを書き加えたことになる。



この小説の登場人物らは浦安沖の埋め立て前とその後のディズニーの発展にかかわってくる。この舞台となった地区、他に都内で数カ所ほど小説のなかで触れられる土地があるが、何とこれらすべてが自分と関った人達が住んだり仕事に携わった土地なのでなんだか小説とは思えず引き込まれてしまった。

こんな偶然はあるのだろうか、いや偶然のはずはない、自分の記憶がどこか間違っているような気になり、確かめた。

行徳: 今も友人の家族が住んでいる。
浦安: 知り合いが住んでいた。マンションの1階で庭付きだった。
田無: 先輩が仕事の関係でいた。
横田: ……
……

いや東京近郊に住んでいたり、そこで仕事に関係していた人々は相当の数だから、偶然というよりもこの条件に含まれる人々は少なくないのかもしれない。









0 件のコメント:

コメントを投稿

桐野夏生『冒険の国』文庫版あとがき ――「取り残された人々」

 このあとがきによれば、桐野夏生が1988年「すばる文学賞」に応募した作品『冒険の国』を改稿したもので、あとがきの日付は平成17年8月になっている。17+1988=2005だから2005年8月にあとがきを書き加えたことになる。 この小説の登場人物らは浦安沖の埋め立て前とその後のデ...