これも高木貞治の『数の概念』序にあるのだが、
肯綮に中る ー コウケイニアタル
肯は、「骨にからみついている肉」第三版岩波新漢語辞典 p.719
綮は、「筋肉と骨の結合している所。転じて、物事の急所」 〃 p.1108
序では、実数は直線上の点の集合を模型として考察されてきたことから説きはじめ、連続性の本質について、常識の反撥のこと、古今同揆のことからはじめ、
「実際、直線は、その上の点の集合ではあるまい。しかし、直線上の点の集合は、その直線の一つの特徴であって、両者の間に、一対一の対応が成立つから、両者の差別は、数学上の運用には、かかわりないこととして、我々はそれに頓着しないのである。それに頓着しない所に、実数論の本質があるというのが、むしろ肯綮に中るのではあるまいか。」
と結んでいる。
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